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店主のマニアック日記

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2010年 08月 02日

マックビッカー

 もともと、釣道具が大好きで釣具屋を始めたという経緯がある。 ルアーならABUやHeddon やPhillipson、フライならHardyやLeonard、Payneなどの王道と呼ばれるタックル類は、それぞれに熱狂的なコレクターや研究者が居て、それぞれの方々がホームページやブログ上で歴史的考察などあまたの論文(?)を発表されている。そんな王道のタックルについて、ここで僕が論じたところで面白くもなんとも無いと思うので、今回は僕の所有する道具のうちで、「一般的に認知度は低いが、店主的に気に入っている道具」を紹介したいと思う。
 ヴィンテージフライリールというと、まず筆頭にくるのは、やはりHardyやVom Hofeだろう。でも、いろいろ調べてみると、有名ではなかったけど味のあるリールを作っていたメーカーも結構あるもの。 今回ご登場願ったのは、アメリカはニューヨークに工房を構えていた、McVICKAR & SON社のBUSHKILL TROUT REELだ。このリールについての数少ない文献には、1946~1953年の7年間製造されていたとある。また、開発にはJim Payneも関わっていたということだ。
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 僕が所有するこの2台は、3インチのトラウトサイズで全く同じモデル。だが、塗装や刻印などの違いが見られ、ちょっと見ると別のリールのような印象だ。 刻印などから考えると、多分、左上のリールの方が古いモデル。このグレー系の塗装のものは、僕が所有するこのリール以外に見たことがない (ちょっと自慢)。 右下のモデルはよく見る (と言っても、このリール自体あまり見かけないのだが:笑) タイプ。濃いブラック塗装。
 スプール中央の大きなラッチカバーには、クリックのテンションの強弱を調節するためのアルミ製のツマミがある。これにより、リールの背面は刻印以外何も無いプレーンなデザインとなっている。あまりにもカッコよく、独創的なデザイン! このアルミ製のツマミは小さくて使いにくい・・・といった欠点もあるのだが、「カッコ良さ」を道具選びの基準と考える僕にとっては「アバタもエクボ」。 ハンドルまでアルミの削り出しで作ってしまうところは、さすがアメリカ製。常識に縛られてないね~。

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上の画像がグレーの(多分)初期型の背面の刻印。下が後期型の刻印。
どちらにも ” BUSHKILL TROUT REEL McVICKAR & SON TUXEDO,NY ”とサークル状の刻印があるが、初期型には、サークルの中に、更に ” PAT. PEND ” と ” MADE BY ”の刻印がなされている。 この刻印の違いと塗装色の違いのために、僕は同じリールを2台も所有しなければならなくなった (まるで、そんな必要はないけど・・・) のだ。
 僕の知るところでは、この3インチ他に、3.5インチ、更にサーモンサイズの4.5インチもあるようだ。 使っているうちにドラグが緩みやすいとか、ワンピースのアルミ製のリールフットの素材が脆く、すぐに欠けてしまう(僕のリールたちは、オリジナルの形状で製作した高強度のフットに交換してある)という欠点はあるのだが、そんなことは関係ない! こうなったら、全サイズをコンプリートしたいなぁ~なんて思ってます。

by ccacc99 | 2010-08-02 13:20 | 古典的釣道具


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