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店主のマニアック日記

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2016年 11月 30日

Hardy Featherweight Fly Reel

英国はハーディー社のライトライン用フライリールの名機、フェザーウェイト。日本の渓流釣りで使う#3~4ラインに最適のサイズなので、多くのフライフィッシャーに愛好されていると思います。 店主の手元には、製造年代が違う2台のフェザーウェイトがあります。一見、まるで同じに見えますが、年代により多少のマイナーチェンジが繰り返されているようです。

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この角度から見ると、全く同じ仕様に見えますが、各部の詳細を見てみると・・・

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裏面の刻印。リールフットを上にして並べています。刻印の方向が全く逆になっています。ちなみに、左のリールはアメリカのアウトドア用品店の老舗・アバクロンビー&フィッチを経由して販売さてたもののようで、そのように刻印にも記されています。 また、よく見てみると。リールのセンターにあるスプールシャフトの取り付け方も違うようです。 製造年代的には左のリールのほうが古いようです。

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外観上での一目で分かる大きな違いはラインガード。左の古い方はいわゆるL型ラインガードと呼ばれる初期のもの。フレームに2個のリベットで止まっています。一方の右側のリールはH型の大型ラインガードのもの。2本のマイナスネジでフレームに止まっていることから、マニアの間では2スクリューラインガードと呼ばれています。 このあと、1970年代くらいからは、小型のラインガードを1本のマイナスネジで固定する方法に変わっていきます。

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外観だけでなく、内部構造も時代とともに変化します。初期型ともいえるL型ラインガードの左のリールは、クリックとスプリングの形状が通称「マークIIチェック」と呼ばれる形状で、ラチェットのツメとスプリングが上下に分かれています。古いハーディー社のリールによくみられるシステムで、下部のラチェットのツメとスプリングは基本的にスペアと考えられているようです。 一方、右の2スクリューラインガードの中期型リールは現代のそれとほとんど変わりがない内部構造で、ドラグ調整スクリューによって正転・逆転の両方のテンションを調整できるように進化しています。


どちらのリールも現役で渓流釣りに使っていますが、使用感に差は感じられません。 しかし、こういう些細なところに拘ってみるのも、釣りという趣味の悦楽のひとつと言えるのではないでしょうか?



by ccacc99 | 2016-11-30 17:49 | タックル


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